高齢期の生活習慣病管理

生活習慣病は食事、運動、睡眠、喫煙、飲酒など長年の生活習慣がその成因に深く関与していると考えられています。

・糖尿病、高血圧、脂質異常症、肥満などの動脈硬化性もの。

・脳卒中、虚血性心疾患など。

・慢性腎臓病、肝硬変、慢性閉塞

・最近では認知症やフレイルも生活習慣病ではないかと考えられてきている。

 高齢者の健康づくり

◆ 栄養運動休養など生活習慣の改善が脳卒中などの循環器疾患の予防にもつながる。
◆ 高齢期においても、適度な運動をすることで、健康・体力を保持・増進することができる。日常生活の家事、散歩などにより身体を動かすことも有益なことである。

◆ 寝たきりの原因の第1は脳血管疾患、第2は転倒等による骨折である。身体活動や運動は疾病を予防するだけでなく、運動機能を高め、転倒による骨折などにより寝たきりになることを防ぐ。
◆ 骨粗鬆症になると骨折しやすくなり、寝たきりにつながりがちであるが、若い頃からカルシウム摂取に心がけることで予防できる。
◆ 現状では80歳で20本の歯を有する者はわずかかであるが、歯の健康の維持は、食生活など明るい生活には欠かせない。口腔衛生状態や咀嚼能力の改善が疾病の減少やADL(日常生活動作)の改善にもつながる。「8020(ハチマルニマル)運動を提唱し、普及啓発活動を実施している。
◆ 身体の健康のみならず、こころの健康がいきいきと暮らしていくために不可欠である。睡眠などによる疲労を回復する「休む」ことと趣味など鋭気を「養う」面を合わせた「休養」が重要といわれている。
 また、高齢になると家に閉じこもりがちになりやすいが、地域の中でふれあいの場を提供する取組みも行われている。若い世代との交流の機会を持ちたいと考える高齢者も多い。
 さらに、おしゃれや身だしなみに気をつけたりすることがいきいきと暮らすことにつながるともいわれる。
                                           ー健康長寿ネットよりー

食べて元気にフレイル予防 

フレイル(虚弱)とは

健康と要介護・寝たきりの間を指します。

高齢期に起こりやすい「筋力や心身の機能などが低下し、社会とのつながりが減少し衰弱した状態」のことです。

 

フレイル予防の3つのポイント

①栄 養 

 ・食事の改善 

  バランスの取れた食事を3食しっかり食べよう。

   タンパク質・カルシウムを摂りましょう。

   塩分はひかえめに。

   お口の健康(口腔ケア)にも気を配りましょう。

身体活動

 ・ウォーキング・ストレッチなど

   今より10分多く体を動かしましょう。

   ・敵度な運動は筋肉の発達・食欲増進・心の健康に繋がります。

③社会参加

 ・趣味・ボランティア・就労など。

   外出することはフレイル予防になります。

   自分に合った活動を見つけましょう。


高齢期の食生活 ➤➤ 低栄養予防

低栄養予防のポイント

毎日3色、栄養バランスの取れた食事をしましょう。

魚・肉・卵など高タンパク質の物や骨粗しょう症予防のために牛乳・乳製品を多く摂りましょう。

加齢により味覚が劣ろえ、味付けが濃くなりがちです。香味野菜や出汁で味付けを工夫しましょう。

脱水症状予防に、一日1200~1400㎖の水分をお茶や飲み物で摂りましょう。

好きなものばかり、インスタント食品・レトルト食品ばかり食べないようにしましょう。

家族や友人と一緒に食事する機会を積極的に作りましょう。


体調の悪い時のひと工夫

  1. 食欲がないときは・・・好きなものを
  2. 熱っぽいときは・・・口当たりの良いものを
  3. 歯の具合が悪いときは・・・やわらかく、飲み込みやすいものを
  4. 便秘がちの時は・・・水分と食物繊維を
  5. 下痢の時は・・・消化の良いものを

財)日本食生活協会「高齢期の食生活」より